北朝鮮の地下核実験に関連して、産経新聞は以下のように伝えている。

北の軍事力の前に米国は「挫折」 朝鮮総連、思想学習会で強調

 在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)が宣伝工作を担当する活動家を対象とした思想学習会で、今年7月の北朝鮮によるミサイル連射は米国への牽制(けんせい)であり、「効果的な自衛的抑制力として核兵器を製造し、その運搬手段であるミサイルの開発能力を限りなく高めている」と強調していることが9日、公安当局の内部文書で分かった。文書は、核開発・製造へと傾斜を強める北朝鮮本国の意向が反映していると分析している。

 学習会は日常的に開催されているもので、北朝鮮の軍事力を背景にした外交力を称賛。「先軍(軍事優先)の威力の前では、ブッシュ政権は挫折を免れず、二国間対話の場に出てくるのは時間の問題だ」などと北朝鮮側の「優位性」を主張しているという。

 また、日朝関係については「日本当局の総連弾圧策動は危険水位を超え、対決状態に差し掛かっている」と指摘。通常国会で成立した政府に経済制裁を促す北朝鮮人権法について「日朝平壌宣言と6カ国協議の精神を否定し、強圧で共和国を屈服させようとする危険千万な悪法だ」と説明している。

 さらに、北朝鮮の貨客船「万景峰92」の入港禁止は「かつて類を見ない言語道断の人権蹂躙(じゅうりん)行為」と強調。そのうえで「日本当局と右翼反動の謀略策動は、総連組織の活動全般に大きな支障を与え、一部の活動家と同胞に否定的影響を及ぼしている」と指摘した。

 学習会の中で、総連組織に対する制裁の悪影響に言及するのは異例で、日本政府による金融制裁発動などに危機感を募らせていることがうかがえるという。

(10/09 14:50)